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「情報は1冊のノートにまとめなさい」……か。

モノの整理は好きだが、分類ができない。
そのため、分類不能なものが出てくると、とりあえず見なかったことにして、どこかにプールしてしまう。そして、それっきりそのアイテムは探せなくなってしまうのだ(もしくは、それを探し出すのに多大な時間を浪費する)。
これは、日々の情報にしても同様で、会社の配布資料、企業のリリース、手紙やFAX、新聞や雑誌、メール、サイトの情報……などなど、最初は何とかしようと思っても、分類不能のもの、捨てられないものがドンドン生じ、情報であふれかえってしまう。いまや、それはコンプレックスに近く、最近でもさまざまな情報管理本を読みあさっているのだが、久々に感動したのが、コレ。
情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」
情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」
奥野 宣之

内容はそのタイトルどおりで、ノートや手帳は目的によって使い分けたりせず、すべてA5の100円ノートに時系列で集約しましょうというもの。奥野さんは若干、27歳ながら、この手のLifeHacks本の中では相当に実践的。IT企業の社長や売れっ子経済評論家が書いている独りよがりな(自制心と実現欲が人一倍強く、一般人には真似できない)手法ではなく、一般人である著者が試行錯誤したの末に到達した手法である点に共感を持つ。本書は、現在、Amazonの和書Top100中のベスト5だが、ほとんど無名ともいえる奥野さんの著書(出版社も含め)がこの成績を残しているのは、驚異的だ。今人気の女性経済評論家が自分のプロフィールをひけらかし、自分の著書の宣伝のためにあちこちのブログに出没、浅ましいと感じるほどエネルギッシュなのに比べると、100円ノートという切り口は何とも清貧で、いさぎいい。「私は持ち歩けるノートパソコンを(バックアップも含め)2台持っている」なんてセレブな内容の本に比べ、本当に実用的だ。
そして、この本に共感をもったもう一つの理由は、実は僕もA5ノートの愛用者だからだ。ふだん持ち歩くカバンには常にコクヨのCampus・A5ノートとパイロットのフリクションボールペン黒・赤(0.5mm)が突っ込んである。6桁の年月日を必ず記載する点も同じだ。確かに、A5ノートというのは持ち歩きやすい大きさだし、フリクションボールペンは間違って書いた文字をこすって消せるのが気に入っている。

ところで、奥野氏はこのA5ノートに、A4の資料もL版の写真も名刺もレシートも、何でもかんでも貼り付けるという(最後のページには袋を作って1000円札も入れているとか)。もちろん、取材のメモもアイデアメモも覚え書きも日記もこれに書き付ける。そして、後でそれを検索できるように、これらの内容を「6桁の日付」「分類(資料とか写真、企画といったジャンル)」「タイトル」という形で1個のテキストファイルに入力していく(情報のタグ付け)。実はこれが、この本の肝である。すべての情をA5ノートにまとめてしまうため、情報を紛失する心配はないけれど、こうした使い方だと、A5ノートは2週間くらいで使い切ってしまうらしく(年25冊)、だからこそ、情報のタグ付けは欠かせないのだ。

ここまで割り切った考えは、僕の知っている中では、ベストセラーの「超整理法」(野口悠紀雄氏)と「捨てる!技術」(辰巳渚氏)くらいだが、問題はこのスタイルを40代で会社員の僕が受け入れられるか? だろう。常時持ち歩けるメモ帳としてのA5ノートは確かに便利だが、さて、そこに名刺も資料も写真も(しかも、糊付けで)となると、正直、抵抗感がある。A5ノートはそれくらい小さいノートだ。一元管理のメリットはよくわかるが、これを始めたら、後戻りするのは難しい(糊付けしちゃうし)。奥野氏は仕事もプライベートもA5ノートで一元管理という考え方だが、それはフリーの立場ではそうだろうが、明確な線引きがある会社員ではなかなか難しい。特に、そうしてA5ノートに情報を一元管理し、どんどんA5ノートが増えていった場合、そのノートをどこに保管すべきかという問題が出てくる。もし、自宅にノートを保管したとして、会社ではその中味を見られないし、逆もまたそう。検索はできても、中味は会社か自宅でないと確認できない(それが名刺なら、連絡先もわからない)。さらにいうと、だらしない一般人としては、テキストファイル化もめんどくせーなーと思う。

また、本書の特徴として、テキストファイル化以外、極力、パソコンやネットを使わないという点も挙げられる。しかし、僕の仕事の場合、メールのやり取りやネットから情報を得ることが非常に多い。また、会社の資料や企業のリリースも、最近はPDFで配布される。つまり、もともとデジタルなものをA5ノートのアナログに落とし込むというのも、何だかなぁ〜という気がするのだ。奥野氏の方法論は、考え方として、非常におもしろく、参考になったが、だからといって、それが自分のスタイルに合っているわけではない。この辺が、情報整理の難しくもおもしろいところなのである。

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