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今、なぜ、GALAPAGOSなのか?

9月27日、シャープが電子書籍端末、GALAPAGOSを発表した。といっても、すでに、7月20日に次世代XMDFと対応端末の開発(今回の試作機も公表)、さらには賛同する出版社や新聞社などを明らかにしているから、今回の発表は、正直、目的が微妙だ。実際、端末については、2種類の端末と、その液晶サイズや解像度、OSについて明らかにされただけで、具体的な価格や重量、バッテリーの持続時間などはまったく不明。極端にいえば、ネーミングが決まったというだけの発表会でしかない。

GALAPAGOSというネーミングについても、Twitterやブログでは賛否両論あるようだが、僕はその時点でダメだと思う。発表会での説明によると、GALAPAGOSには「日本ならではのきめ細かなノウハウと技術を融合して、世界で独自の進化を遂げていく」という思いが込められているらしいが、もちろん、それは後付け。ほとんど、言葉の遊びに等しい(自信がないときほど、ネーミングが問題になりがちだ)。

個人的には、ネーミングが話題の中心になった時点ででげんなりしちゃったわけだが、はっきりいって、シャープが何といおうと、GALAPAGOSはガラパゴスなのであり、その意味は「日本向けに独自進化した=世界から取り残された」ということにほかならない。しかし、それでも、シャープがあえてこのネーミングを選択したのはなぜなのか? しかも、ケータイではなく、なぜ電子書籍端末に?

世間では、自虐的ネーミングなんていう人もあるが、ガラパゴスといわれているのはケータイであり、そもそも電子書籍端末においてガラパゴスというフレーズを気にかける必要はまったくない。インパクト狙いでは? という話もあるが、逆ベクトルのリスク(アーリーアダプターの失笑を買うとか)を考えれば、メーカーの製品としてはちょっと解せない(目立ってナンボのお笑い芸人ならともかく)。

と、いろいろ考えてみたのだが、もしかすると、このネーミングは何も変わろうとしない出版社や新聞社、取次などに対する当て付けなのではないか? と思い始めた。当初、シャープの片山社長は、この端末について、「電子書籍は一部に過ぎない」と発言。本来的には、注文した商品をコンビニエンスストアなどの店頭で受け取ったり、コンサートの座席を予約したりする電子商取引まで視野に入れていたはずなのだ。

ところが、今回の発表では、そうした万能端末的な側面はかなり薄れ、世間ではもはや電子書籍端末としてしか認識されていない。確かに、ニュースリリースを読むと、「GALAPAGOSは新しいユーザー体験を提供するクラウドメディア事業であり、その第1弾が電子ブックストアサービス」に過ぎないことが読み取れるが、僕はこの言い回しが精一杯だったのではないかと思っている。

つまり、それほど、出版社や新聞社の抵抗が大きかったのではないか? そもそもシャープにとって、対応するジャンルを電子書籍に絞るメリットはまったくない。それよりも、iPadのような方向性を目指したほうが幅広いユーザーを相手にできる。しかし、それでは電子書籍はGALAPAGOSのごくごく一部に過ぎないことになり、出版社や新聞社は納得しない。そこで、今回のような苦し紛れの船出になったのではないだろうか?
Andoroidがベースなのだから、GALAPAGOSはゲーム機にもなりうるし、音楽端末にだってなる。ハードのパフォーマンスを考えれば、そうした万能端末の方向を狙ったほうが自然だし、世界は広い。進化する端末ゆえ、もちろん、今後、第2弾、第3弾の発表があることを期待したいが、正直、コンテンツ業界ほど、ガラパゴスなところはない。GALAPAGOSの中にいくつのガラパゴス生態系を取り込めるのか? それとも、電子書籍生態系だけで終わるのか? もし、後者だとすると、シャープが手にできる果実は余りにも小さすぎる。

なお、下記サイトも要チェックです。
ガラパゴスは日本語WPの栄光を見るか
GALAPGOSがガラパゴスにもなれない理由

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