June 2017  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

内斜視手術顛末記。



先日、1年近く前に予約していた内斜視の手術をついに受けた。

僕の場合、若い頃から、お酒を飲むと右目が内側に寄るということがあったのだが、2〜3年前からその症状が日常化。周りの風景はほとんど二重に見えるようになってしまった(一番、向かうことの多いコンピュータの画面なら平気)。特に怖いのは、地下鉄の階段を降りるときで、「いつか足を踏み外して下まで落ちてしまうのでは?」という恐怖が常にあった。もちろん、キャッチボールは無理だし、自転車に乗るのもかなり厳しい。そんなわけで、家の近くの帝京大学附属病院で内斜視の手術を受けることにしたのだが、帝京大学附属病院は斜視手術では全国でもトップクラスの術数で、そのため、手術を受けるまでに1年近くも待たされてしまった。

さて、僕の斜視だが、いわゆる内斜視(黒目が鼻のほうを向く)というヤツで、検査では左目が外を向く力が弱いのだという。そこで、手術では、左目の外側の筋肉を短くすることで、その力を強め、さらに内側の筋肉の位置を少し前にして、これによって外を向く力を回復させようということらしい。でも、ここで一つ疑問がわく。目が寄っているのは、冒頭に書いたように、右目なんじゃねぇの? ということだ。右目が寄るのに、左目を手術をするって、一体どういうことなのだろうか?

実は、斜視の場合、基本的にはどっちの目を手術してもいいのだという。確かに、僕の場合、左目が外を向く力が弱いだけで、意識して左目で見るようにすれば右目が斜視になり、逆に右目で見るようにすれば左目が斜視になる。なので、両方の黒目をきちんと正面に向かせるようにするだけなら、どちらの目を手術してもいいということらしい。ただ、お医者さんとしては、筋力的には左目をおすすめしますよ、ということだ。実際、術前の説明(手術の2週間ほど前)では、「どっちの目をやりましょうか?」と質問されたのだが、斜視の手術を受ける場合、これにはちょっと戸惑う人がいるかもしれない。

術前説明が終わり、そこから手術まではあっという間だった。入院したのは8月31日で、翌日の9月1日、昼過ぎに手術。昼前には術着に着替えさせられたが、そこからの待ち時間が恐怖の入り交じった心持ちで、何とも長かった。先生も看護師さんも優しく接してくれるので、その辺での安心感はあったが、さすがに手術台に載ったときからは気持ちがビビった。まず、両目を洗いますといわれ、水か消毒液かわからないが、何やら大量に液体を目に注がれ、うわわわわっと思っているうちに、今度は手術をする左目に点眼の麻酔薬(昔は注射だったらしい)。こちらも何回かに分けて注がれ、ついに沁みるという感じもなくなった。

それからは、もう迅速。左目だけが出るようなカバーを顔に被せられ、いよいよ左目外側の筋肉を切る。ずっと右を見ていてくださーいというサブのお医者さんの声に、グッと歯を食いしばりながら、右を見る。やや霞んでいながらも、左目の前をハサミが動き、白い糸が飛び跳ねるのは、かなりの恐怖だ。ちなみに、目の筋肉というのは、幅4ミリ、厚さ1ミリほどととても細い。そこで、まず眼球から筋肉を切り剥がす前に、その筋肉に糸のついた釣り針のようなものを左右2本通し、次に筋肉を切り剥がし、筋肉を短くしたら、今度はその釣り針を眼球に刺して、筋肉を固定する。筋肉と眼球は2ヵ所のみの固定されることになるが、しばらくすると、筋肉は眼球に癒着するらしい。

あ〜正直、書いていても気持ち悪いが、手術中は、大体そんなことを想像しながら、ずっとビビっていた。手術前、「お医者さんは目に筋肉を固定する(糸を通して縛る)ときがちょっと痛いので頑張って!」なんて余計なことを言ってくれて、そのせいで手術が進むたびに、その恐怖は絶頂へと向かっていたのだが、実は、麻酔のせいか、痛みはそれほどでもなかった。ただ、とにかく目をいじられているという気持ち悪さと恐怖からは早く逃げ出したかったというのが本音。しかも、僕の場合、外側の筋肉が終わったら、内側の筋肉にも手をつけなければならない。痛みが激しいわけではなかったが、外側の筋肉の固定が終わった時点で、気分的にはもうダメかもというところまで追い込まれていた。

「ちょっと休んで、目の位置を確認しましょう」。外側の筋肉の手術が終わった時点でのお医者さんの言葉。そして、顔の正面からペンライトを見せられる。「一つに見えますか?」。おっ、見える見える。「なんか、いい感じに目が正面に来ていますね。これなら、内側の筋肉はやらなくていいでしょう」。た、助かった! もう心が折れかかっていたときに、なんという救いの言葉。結局、これで手術は終わったのであった。後から看護師さんに聞くと、手術時間はたったの13分。は、早っ。こうして1年間、待ち続けた(いや、待っていたわけではないが)内斜視の手術は、無事終わったのであった。

結局、激痛というのはないまま、片目を塞がれ、車椅子に載せられ、病室に戻る。とはいえ、さすがに心身ともダメージがあったので、しばらくは横になっているしかなかった。しかし、辛いのはそれからだった。麻酔が切れてきた夕方。さすがに、左目の奥が痛み始めた。そりゃそうーだ、目の筋肉を切って、眼球に縫い付けたんだから。なんというか、目がひどい虫歯にかかったような痛さ。カミさんと玄が見舞いに来ていたのだが、さすがにいろいろ話す余裕はゼロ。後は痛み止めを飲んで、寝て過ごすしかなかった。そして、結局、その日は夜も目の痛みと格闘することになった。

斜視の手術は、病院によっては日帰りのところもあるようだが、帝京大学附属病院では3泊4日が基本。手術の前の日に入院、翌日手術、丸1日術後検査、最終日午前中退院というぐあい。確かに、日帰りも可能といえば、可能かもしれないが、痛みが引くまで病院にいるほうが安心。実際、退院の日は、痛みがゼロではないけれど、我慢できるレベル。もちろん、眼球を急激に動かすような動作をすると、ウグッ!となるが、普通にしている分にはだいじょうぶ。ただ、実態に仕事をしたり、テレビを見たりとなると、少々疲れてくるので、そこまでとなると、手術後1週間は必要な気がする。

ちなみに、現在、僕の左目は充血を通り越して、真っ赤っか。まだ顔を洗ったり、髪を洗ったりするのは禁物で、コンタクトレンズも1ヶ月は無理のようだ。しかし、メガネを通しても、遠くの像がピシッと合うのは、当たり前のことながら、実に快適。早くコンタクトレンズをして、自転車に登山、玄とのキャッチボールなどにトライしてみたいものだ。

comments

偉大な方に手術をしていただけるなんて光栄です!!!

  • まいこ
  • 2013/10/08 11:23 AM

もう一つだけ。
担当医、林先生なのですね。僕もそうでした。林先生は眼科医の間では相当に有名な方らしく、その後、別件で都内の眼科をいくつか行きましたが(コンタクトレンズの定期検診や健康診断など)、どのお医者さんも林先生のことをご存知でした。斜視手術の話をしても、あ〜林先生なら大丈夫とか、完璧なオペですね〜とか。もちろん人柄もあるのでしょうけど。

林先生なら、大船に乗った気分ですね!

  • トシ
  • 2013/10/08 6:42 AM

ついに!!!って思うと、もぅ待ち遠しくて、待ち遠しくて\(^ー^)/普通手術はできたら避けたい!やりたくない!恐怖、不安が一般的な考え。
私は楽しみ!是非やりたい!待ち遠しい!←端から聞けば「あんた大丈夫??!!」 って思われそうですが(笑)
思い入れが違いマスから大丈夫ですV(^-^)Vという感じ。約10日、もうカウントダウンです。前日に説明があるんですね?それは知らなかったので教えて頂きありがとうございます。
帝京大学医学部附属病院初めて足を運ぶ際とてもきれいで設備良くびっくりしました。コンビニやカフェ「ここは病院なの?」って錯覚起こしちゃうくらい 笑
屋上庭園あるんですね。そこでゆっくり過ごそうかな♪
術後の感動を私も早く味わいたいです。…が私は右目をしてもらうのですが以前も書きましたが右目で見ている感覚がない(未熟児網膜症で小さい頃右目は失明するかもといわれていて辛うじて失明は逃れた程度なのでほぼ見る機能がないのに等しい)ためトシさんのようにピントが合うという喜びや感動を得ることは難しいかもわかりませんが鏡や写真の出来上がり等で黒目が正面又はカメラのレンズを捕らえていることが出来ればそれが私にとっての喜びや感動になります。手術をすることで眼振も軽減されるかもとも言われたので嬉しかったです。100%に無いにしてもその言葉を言って下さった林先生にありがとうです。
残念ながら視力を上げることは出来ないが見た目を良くすることが出来れば最高です♪
感動・幸せと思える瞬間早くこないかなぁ〜♪〜θ(^0^ )

  • まいこ
  • 2013/10/08 3:16 AM

まいこさん、手術決定とのこと、本当によかったですね。

帝京大附属病院は、術数も多いし、安心して任せましょう。確か、手術の前日には手術を受ける人を全員集めての説明があったかと思います。僕のときは、小さい子供から若い女性までたくさんの人(10人以上)がいて、ああ、みんな斜視に困っていてここに来た仲間だなぁと思ったら、ちょっと勇気づけられました。

帝京大附属病院はまだ新しいし、1階にはカフェが、6階には屋上庭園などがあるので、手術後は僕はその辺で時間を潰したりしていました。

三重県からとのことなので、いろいろと慣れないこともあり、不便かもしれませんが、眼科の看護士さんはみんな優しいので、何でも遠慮なくいろいろ頼んだらいいと思います。

ちなみに、僕は手術して丸2年が経ちました。経過良好です。ただ、手術では左右の調整をして上下の調整はしていないので、姿勢によっては両目のピントが合わないときがごくたまにあります。でも、他人からみて、パッと見は気にならないはず。

斜視がなくなって、今は当たり前の暮らしですが、斜視が治って外の景色を見たときの感動は今も忘れません。

お久しぶりです。
実はあれから私の熱意から行きつけの病院から紹介状を書いていただき帝京大学医学部附属病院で手術を受けることになりました。先月9月に検査10月になり手術説明に行き今月17日に手術です!!
主さんのblogで手術には一年待ちと書いてありましたが本当に一年後でした 笑
10年間悩み続けてきたことがようやく解放されるのかぁ\(^ー^)/と思うともう待ち遠しくて恐怖や不安は今のところありません。術前日に恐怖や不安が湧いてきそうかな。。
ただ主さんのように病院までが近くないため(ちなみに三重県)手術に行く際一人で行ってきます。せっかくなので前々日から東京入りしてちょっと楽しもうかとも計画中V(^-^)V
あともう少し頑張ります。

  • まいこ
  • 2013/10/05 11:40 PM

たんぽぽさん、こんにちは。もちろん、僕も手術前は何度か検査を行いました。で、手術した今でも、実際には10度以上のズレがあるようです(先日、手術一年後の検査を受けたところです)。ただ、それでも実際には、目で見る像はきちんとしていますし、はたから見ても、斜視とはわかりません。
たんぽぽさんは、検査のたびに、角度のズレがあるとのことですが、これは仕方のないこと(当たり前のこと)だと思います。僕も、検査するたびに、えーっと、これでいいのかなぁということがありました。結局、斜視の検査はざっくりどれくらいかを判断するためのもので、実際には、オペをする医師の経験と勘なのだと思います。
また、仮にきちんとした位置に眼球を固定できなくても、今は何度か繰り返すのが当たり前みたいです。もちろん、僕はもうあの恐怖を繰り返すのは勘弁ですが、何としてでも、それを避けたいなら、やはり、経験豊富な(術数の多い)病院を探すということなのだ思います。
お住まいはどちらかわかりませんが、斜視の手術は本当に進歩していると感じています。だからこそ、希望を捨てないでください。斜視は一生、手術は一瞬。斜視を治すためにぐっと集中して、仮に1〜2年かかっても、僕はそれが、たんぽぽさんの人生において、、実りのある時間だと思います。

頑張ってください。

はじめまして、私は3年位前に急に内斜視になり、段々ひどくなって複視です。トシさんは、手術前に筋肉を付け替える場所の数値を何度かされたと思いますが、いつも数値は固定していましたか?私は数値が5度違うとか…、手術は出来ないのかなぁって。目の疲れも見え方も大変だし、大人の斜視は慎重にしないとで、なかなか手術になりそうにありません。教えて下さい。

  • たんぽぽ
  • 2012/09/26 10:18 PM

はじめまして、私は3年位前に急に内斜視になり、段々ひどくなって複視です。トシさんは、手術前に筋肉を付け替える場所の数値を何度かされたと思いますが、いつも数値は固定していましたか?私は数値が5度違うとか…、手術は出来ないのかなぁって。目の疲れも見え方も大変だし、大人の斜視は慎重にしないとで、なかなか手術になりそうにありません。教えて下さい。

  • たんぽぽ
  • 2012/09/26 10:06 PM

まいこさん、こんにちは。
僕も一番ひどいときは、すべての写真がロンパリに写っていて、後からそれを見て、とてもひどい気持ちになったものでした。

でも、斜視の手術はとっても進歩しています。あのテリー伊藤さんもいつのまにか治ってますし。
http://oisha.livedoor.biz/archives/50970755.html

家族の方も含め、周りの人はいろいろと言うと思いますが、所詮、聞きかじり。医学の進歩とは程遠いところからの意見です。まずは、情報収集ではないでしょうか? 幸い、今はこうしてネットでいろいろと検索できます。

もし、まいこさんがその斜視によって、多少暗い人生を歩んでいるなら、ちょっと病院が遠かろうが、足を運んでみてはどうでしょう。僕はたまたま帝京大学附属病院が近かったのですが、同じ病棟には全国から来ている人がたくさんいました。まずは一歩を踏み出すことです。

それに、結果、手術は難しいと言われたとしても、そうして自分からチャレンジしてみたことは絶対に今後の人生の糧になるし、そんな自分を褒めてあげたっていいと思います。

斜視の手術が終わって包帯が取れたとき、病棟の3階の窓から見えた公園の木立は、そまで感じたことがないくらい立体的に見えたのを思い出します。とっても奥行きがあってれ、生々しい存在感を感じました。写真に写る自分が変わることもワクワクだと思いますが、目に見える景色がこれまでとは変わります。平板だった世界がもっとリアルになるはずです。

影ながら応援します。頑張って!
(ちなみに、お医者さん曰く、斜視の手術は手術としては難しくないものだそうですよ)

blog拝見させていただきました。
私も右目が内斜視です。
双子の早産で7ヶ月で生まれ1年弱ほど病院生活でした。
私の右目は失明するかもしれないと言われたそうですがなんとか失明は逃れたものの右目で見ている感覚がありません。
内斜視だと気づき始めたのは中学くらぃです。現在21サイです。
写真を撮るのも
人と話すのも苦手です(>_<)
その上 眼振(眼球が小刻みに振るえる症状)もあるので
眼科の先生曰く手術をするにあたって特殊かもしれないと言われました。
しかし私は手術専門ではないのでハッキリとした事は言えないけれど、まいこちゃんが思うほど気にならないょ。と言われたのですが…
みんな気を遣ってかそう言ってくれるんですょ(-o-;)
私自身すごく嫌で
手術したいと思うのですが、家族は「手術をしてもっとひどくなったらどうするの!あんたの場合生れつきだから多分無理やに…。気にせんと毎日笑顔でおったらいいやにo(^-^)o
それに私の知ってる人ですごいロンパリでどこ向いてるかわからんょ。その人みたら自分は全然いいと思うに。その人も何度か手術したけど変わってないみたいだし危ないから手術は進めたくない。」って言われました。
笑顔でカバーできる日もあれば無意識に起こる症状だからめっちゃ寄ってる時あるとカバーしきれないのが現状ですょ(ToT)

だけど家族的には
反対みたいです。

でも私は希望があるなら手術をしたいと思ってます。
確かに怖いです。
だけど術後目の位置が正常な自分の姿を思うとワクワクという気持ちもあります。

  • まいこ
  • 2012/08/30 6:40 PM
   

trackback

pagetop